舌癌患者(男性)の体験談(3) 2009.7.12

胃がんから舌がんへ

 

 26年前に自分で行った町医者が胃癌を見つけてくれました。早期発見で2cmくらいのものでした。20数年前といったら,全部切ってしまうのが普通で,胃も3分の2を切ってしまうということで(自分も)3分の2を切られました。3分の1は残らないといけないのですが,現在は5分の1しか残っていません。胃は斜めに切りすぎて,下の方が胃の役を果たさず,十二指腸の役しかしていません。そんなことで,うどん一杯もいけません。

 その間に胆汁という消化液が入って来まして,肝臓を通って胃に入って来る消化液なのですけれど,空腹になると胃にまで上がって来て,そうした状態が毎日続きました。それを朝晩取ってもらうのが日課になりました。そうこうしているうちに,もう帰っても良いだろうということになって,3ヶ月マイナス1週間入院となりました。家に帰ってからは,胆汁が胃に上がったものを自分で取らなければならないので,舌の奥の方をぎゅーと思い切り押さえて,無理に出しました。そんなことを毎日毎日20年ばかりやって来ました。

 その次,舌癌が発生しました。最初右奥の方に切り傷が出来,痛みを感じて歯医者に行きました。歯医者に「傷が痛むのだから2週間経って来てください」と言われました。2週間経っても直らないので,また行ったら「S市の市民病院を紹介しますから行ってください」と言われました。しかし「今日は お金を持っていないから,今度にします」と言ったら,「いやあかん!今から行ってもらわんとあかんのです」と言われてしまいました。「タクシーも呼んであるし,お金も貸します」と言われて,2万円を貸してくれました。

 それで市民病院に行ったら,口を開けて見るなり,「こんな舌手術できるところ,S市で出来るところはないので大阪に行ってくれ」と言われました。どこへ行くのかを聞いたら,O大か○○病院か成人病センターかということでした。それでここに来て,いろいろ検査をして,最後の生検で・・・(記録者の注:言葉が不明瞭につき記録出来ず)・・・それまでに分かっていたので,何とも思いませんでした。

 右半分切ってつないでいます。(下顎を指して)ここにスジがあります。ここの骨(下顎正面)をノコギリでごしごし切って,これを開けて,ここの筋肉を切って,ここから息を出来るようにしました。

 食べるときは,普通の人の4分の1くらいの量を口の左の方に入れて,右は足の筋肉をつないでいますから,動きません。だから飲込みがちゃんと出来ません。味も分からないし,(食べ物が)右側に寄って来ると,何を食べているのか皆目分からなくなります。嫌になって吐き出したりします。

 薄い味はダメで濃い味にしないとダメです。塩や醤油をいっぱい入れて食べてます。食べる量が少ないので良いだろうと思っています。食べ物が,飲込むときに普通ならいけるところ,顎骨のすそが顎骨の外まで行ってしまう(?言葉が不明瞭のため意味不明)・・・外まで行ったら,しょうがないですね。飲込みが出来ないし,口の中にたまるし・・コップ一杯の水で10回くらいウガイをして,それでもきれいになった気がしません。次に歯を磨いて,一番最後に歯茎の外側を磨いても,普通だったら行きそうにない歯茎のところに,いっぱい付きます。困ったものです。いつになったら,こんなことしないでも済むようになるのかという思いです。・・・(記録者の注:言葉が不明瞭につき記録出来ず)・・・・

 8キロ減って37キロになりました。今また今朝計ったら35キロしかありませんでした。体重は減りっぱなしです。強い風で飛ばされそうな気がしてます。

 患者会というものがなかったので,ここの病院の看護婦の副部長をしている人に「患者会を作りますから宜しく」と言いに訪ねたら・・・今日は欠席していますが,いつも来てもらっているM看護師長さんです。私が入院しているときの病棟の婦長さんで,今は外科外来に居られます。・・・・

 4人の人のボランティアという形で患者会をやっております。

 私の言うこと分かりますか?「ラリルレロ」が発音出来ません。「イキシチニ」の発音が悪くて,どうしたら良いか分からない状態ですから,しゃべっていても具合の悪いところです。